InDesignの「保存」と「別名で保存」の差
InDesignの「保存」と「別名で保存」とでは、その挙動に相違があることを、自分がちゃんと把握して居なかっただけの話。InDesignのドキュメント編集で、大容量の画像を削除して保存してもファイルサイズが大きいままなので、バグか何かでデータが残ったままでは?と首を傾げて居たが、これはInDesignの仕様通りの挙動であった。
「保存」では不要情報は削除されない
InDesignの保存では、不要な情報は削除されない仕様である。つまり仮に大容量の画像データを削除したとしても内部的に保持されるわけだ。これは保存処理を高速に実行させるためであるが、その代償としてファイルサイズは減らない。
「別名で保存」は新規ファイルの作り直し
「別名で保存」を実行すれば、内部的に保持されたままの不要な情報が削除された上で保存されるから、ファイルサイズは小さくなる。当然、不要情報を削除して保存するので保存処理に多少の時間を要することになる。
公式の言及について
InDesign CS6の公式ヘルプページでは、上記の仕様についてははっきりと明言して居ない。
新しい名前でドキュメントを保存するには、ファイル/別名で保存を選択して、ファイルの保存場所と名前を指定し、「保存」をクリックします。新しく名前を付けたファイルが、アクティブなドキュメントになります。「別名で保存」コマンドを使用すると、ファイルサイズを縮小できることがあります。
しかしながら、InDesign 1.0Jのサポートページでは上記の仕様について、はっきりと言及して居る。
E.[別名保存]コマンドを使用してファイルを保存します。
[別名保存]コマンドを使うと、不要なデータを文書から消去できます。必要なデータだけの文書は、ファイルサイズが小さく、再描画やプリントを高速に行えます。
[別名保存]コマンドを使うと、文書が完全に作り直され、現在の文書に含まれているオブジェクトとページについての情報だけが保存されます。これに対して[保存]コマンドでは、文書に新しい情報が追加され、削除されたグラフィックについての情報などの古いデータは削除されません。
InDesign 1.0J (Mac):パフォーマンスの最適化
この仕様による挙動はInDesign CS6などの新しいバージョンでも確認できる。大規模な改変を繰り返してドキュメントサイズが肥大化したら、「別名で保存」を適宜実施。