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テクデップ(Techdep)

コンピュータ、プログラミング、DTP(InDesign)に関する備忘録

引用符の基本的な記法

 文章を書くと多かれ少なかれカギ括弧の類を使う。その用途は台詞を示すものであったり文意の強調であったりと様々であるが、開き括弧と閉じ括弧とを対応させるというのはカギ括弧の使い方の基本(作文の基本)として認識されているだろう。
 それでは“引用符”の類はどうだろうか。カギ括弧の使い方を間違える人はまず居ないだろうが、引用符になると普段使わない人も多いから途端に使い方に誤りが見られる。今回は引用符(和文限定)についてあれこれ書いておきたい。

※ここでは引用符をシングルクォーテーション、ダブルクォーテーション、ダブルミニュートと定義する。
※書かれた原稿が最終的には印刷物もしくは電子書籍などの様にある程度体裁が整えられた状態に編集されるとする。

開きと閉じ

 カギ括弧に開きと閉じとの対応がある様に、引用符についても開きと閉じとの対応がある。

“開き”と“閉じ”とを区別する

 だが、この開きと閉じとの対応が取れて居ない用法(以下の様な文)をよく見かける。

“開き“と”閉じ”とを区別する

 上記の文をカギ括弧に直してみると以下の様なものだろうか。

「開き「と」閉じ」とを区別する

 直してみると途端に頭が悪い文章に見えてきた。これ位の使い分けは基本として確実にやっておきたい。

横書きと縦書き

 引用符には縦書き用と横書き用とのものがあるので、以下に説明文を兼ねた例文を掲げる。

‘シングルクォーテーション’は横書きで用いる
“ダブルクォーテーション”は横書きで用いる
〝ダブルミニュート〟は主に縦書きで用いる

 ダブルクォーテーションとダブルミニュートとは同じ記号で単に縦書きと横書きとにおける字形の違いという意見もあるが、現在のUNICODEでは別々のコードポイントが与えられている。
 さて、当然横書き用の引用符を縦書きにするとどうなるだろうか。上記の例文をMS Word 2010とInDesignとに流し込んだものを示そう。MS Word 2010の場合は明らかに体裁が悪いことがわかるが、対照的にInDsginの場合では字形が自動的に置換され多少体裁がまともになっていることがわかる*1

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MS Wordの場合は引用符字形は体裁が悪いまま

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InDesignにおける引用符字形の自動置換

 縦書き用の引用符か横書き用の引用符のどちらを使うべきであるかは、今書いてある原稿が最終的にどのような体裁(横組みか縦組みか)で閲覧に供せられるかを考える必要がある。どの様な体裁で閲覧に廻されるかが未定な場合は、横書きでも一応使えるダブルミニュートに寄せておくのが無難かもしれない。ただ、深く考えるのは「見栄え」と「論理」との分離の原則からすると本末転倒でもある。
 執筆中の文章が、著者以外の人間によって編集や組版などの処理をされるのであれば、引用符の使い分けに関しては後工程に任せるべきかもしれない。原稿段階で処理すべきか編集段階で処理すべきかを、後工程の担当と決めておくのも肝要である。もちろん、著者が論理から見栄えまで全てを担当する状況では、縦書きか横書きのどちらにするかを著者自身が意識しておく。
 

ダブルミニュートは環境依存文字?

 Windows環境であればダブルミニュートを打ち出そうとすると次の様に環境依存文字であると警告せられるだろう。

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 ダブルミニュートは二重の意味で環境依存文字である。具体的には「Sihft JIS環境ではWindows系OS特有の記号」であるし、また、この記号は「UTFでしか扱えない記号」でもある。
 ダブルミニュートを含んだテキストをShift JISで保存してそれを別のOSで読み込ませると当然文字化けするので、保存するテキストはUTFで保存しておくのが無難であろう(常にWindows環境で扱うのであればShift JISでも問題ない)。

まとめ

 話がややこしくなるのでシングルバイト文字である引用符については触れなかったが、この辺でまとめよう。

  • 開きと閉じとを区別する。
  • 縦書きか横書きかを区別する。決まっていないのであれば、横書きでも一応使えるダブルミニュートに寄せておくのが無難。後工程で著者以外の人間が編集する場合、原稿段階で処理するのか編集段階で処理するのかを編集担当と別途決めておく。
  • ダブルミニュートを含んだテキストはUTFで保存する。

*1:この辺りの自動置換についてはフォントなども大きく絡んでくるので深入りしない