疑問符や感嘆符の後ろは必ずあける?
疑問符や感嘆符の直後にはスペ-スを入れる
小説に限らず、それなりに文章を書いた経験がある人ならば、上記のルールはよく知っているだろう。一般に以下の様な表現は妥当でない。
アイエエエエ!エクセル方眼紙!?エクセル方眼紙ナンデ!?
校正者や編集者の手によって、上記の文章は次の様に直されるだろう。
アイエエエエ! エクセル方眼紙!? エクセル方眼紙ナンデ!?
何故スペースを入れるのかというと、これらの疑問符や感嘆符は「句点と同じ役割」で使用しているからである。すなわち、文章の区切りを明示させるため、スペースを入れているのである。
三種類の例外
もちろん上記の原則には例外がある。この例外は三つあるとされ*1、
- 直後に終り括弧類が来る場合
- 直後にダーシや三点リーダが来る場合
- 文脈上、アキを入れると不自然な場合
の何れかに該当するとき、スペースの挿入は不要であるとされる。
さて、一番最後にあげた例外は認知度が低いため誤解をよく招く。本稿では各例外を説明しつつ、認知度が低い例外についてどう対処すべきか考えたい。
(1)直後に終り括弧類が来る場合
終り括弧類(閉じ括弧)が来た場合は不要である。これは上記の原則と併せて、ほとんどの人が知っているだろう。
「アイエエエエ! エクセル方眼紙!? エクセル方眼紙ナンデ!?」と彼は叫んだ。
終り括弧類が文章の区切りを示すわけであるし、第一スペースを入れると体裁が悪い。
- 直後にダーシや三点リーダが来る場合
これの認知度は上記の例外よりないだろう。
「アイエエエ?……」「アイエエエ!――」
この例外では、直後に四文アキを挿入して詰まった感じを解消することもある。
(3)文脈上、アキを入れると不自然な場合
さらに認知度が低い例外。次の文で考えてみよう。
どういうことだ?と彼は思った。
筆者の経験上、上記の文章は例外なく訂正指示を入れられる。要は誤りだというわけだ。この文を原理原則通りに処理すると、
どういうことだ? と彼は思った。
になる。教科書の観点からするとこの処理は誤りであるが、認知度が低いので上記のように直される事例はよく散見される。
そもそも、例の文章の場合、疑問符の類を使用しないで書くと、
どういうことだ、と彼は思った
となる。文章はまだ途中であるから、区切りとしてのスペースを入れるのは不適当という理由であろう。
上記の場合は色々と議論の余地があるかもしれないが、下記の様な例であるとスペースを挿入すると明らかに不自然である。
今でしょ!みたいな顔をした。
これを原則通りに処理すると苦しいので、そのままにするのが無難であるが、これも直されることも多い。
まとめ
原則、例外(1)、例外(2)の処理で悩むことはほとんどないだろうが、例外(3)の処理は結構悩むところであろう。
教科書通りに処理するのも間違いではない。ただし、原則と(1)の例外しか知らない人が多いから、校正ミスであると誤解を招かせる位ならば(3)の例外は無視して、一律にスペースを入れるという考えも尤もである。
ハウスルールとして明文化しても良いが、そもそも(3)に該当するような表現はあまり見ないだろうから、明文化されること自体も稀かもしれない。
*1:『文字の組方ルールブック 縦組み編』(日本エディタースクール出版部)